友人が倒れていた男性を見つけ、私たちが向かった事案です。男性は70代前半。私たちが接触したとき、呼びかけに対する反応が鈍く、汗をかいていました。現場で測った血糖値は低く、病院での初診時の傷病名は「後期ダンピング」でした。
私たちが現場で確認できたのは、意識の状態と血糖の低下です。 低血糖を起こした仕組みを現場の数値だけで確定したわけではありません。今回は、その違いと、家で同じように人が倒れていたときにできることをお伝えします。

写真はAI生成のイメージです。ご本人や実際の現場ではありません。
私たちが接触したとき
出動時に把握した内容の一部です。発見場所を伏せ、時刻などは引用範囲から外しています。
[場所を省略]で倒れている傷病者を友人が発見したもの。
これは出動時の概要で、電話口で交わされた言葉の逐語引用ではありません。発見前に何が起きたかを私たちが見たわけでもありません。私たちが接触したとき、男性はあおむけで倒れており、全身に汗を認めました。呼吸はあり、見える範囲に明らかな外傷はありませんでした。見た目だけでは意識の状態が変わった理由までは分かりませんでした。
血糖を測ると低値でした。私たちは医師に連絡し、指示を受けて静脈からブドウ糖を投与しました。その後、搬送中に意識ははっきりしました。ここでいう投与は現場の医療処置で、家で飲食物を口に入れることとは別です。
病院の初診時の傷病名は「後期ダンピング」でした。がんの既往がありましたが、手術の有無やその内容を含め、今回の低血糖に至った詳しい背景と搬送後の経過までは確認できていません。初診時の傷病名を、最終診断として扱うことはできません。
後期ダンピングは、なぜ食後に血糖が下がるのか

国立がん研究センター がん情報サービスによると、胃の切除や再建のあとには、食べ物が腸へ急に流れ込むことがあります。食後すぐに動悸や発汗、脱力などが出るのが早期ダンピングです。一方、後期ダンピングでは、糖質が急速に吸収され、これに反応して血糖を下げるインスリンが多く分泌されることで、血糖が下がりすぎることがあります。症状が現れる目安は食後2〜3時間です。
低血糖は血液中のブドウ糖が少なくなった状態で、冷や汗や手の震え、動悸のほか、進むと、ぼんやりする、反応が悪くなるなどの症状が出ることがあります。一般に、低血糖の原因には薬の影響などもあります。食後の時間や汗だけで、後期ダンピングと決めることはできません。上の仕組みは一般的な説明で、この男性について手術や食事が原因だったと断定するものではありません。

原因を考える前に、呼びかけへの反応と普段どおりの呼吸を確認します。




