救命処置は2025指針でどう変わる?|119番・胸骨圧迫・AED・窒息対応の要点
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救命処置は2025指針でどう変わる?|119番・胸骨圧迫・AED・窒息対応の要点

消防庁が2026年10月23日に示したJRC蘇生ガイドライン2025への対応をもとに、家庭で覚えたい119番、胸骨圧迫、AED、気道異物除去の要点を整理します。

目の前で人が倒れたとき、「反応があるか分からない」「呼吸が普通なのか自信がない」と迷うことがあります。その数分間に、119番通報、胸骨圧迫、AEDの手配を始められるかが重要です。

総務省消防庁は2026年10月23日、JRC蘇生ガイドライン2025を踏まえた応急手当講習の実施要領について通知しました。この記事では、そのうち家庭や外出先で市民が知っておきたい点を整理します。

この記事は実在の患者や救急事案をもとにしたものではありません。架空の搬送経過も作らず、公的資料を確認した一般解説です。

救命講習の会場を表すイメージ 救命講習の公開用イメージです。実際の患者や現場ではありません。

基本は変わらない:迷って止まらない

今回の資料でも、心停止の救命には市民救助者の行動が不可欠で、質の高い胸骨圧迫が重要という基本は変わりません。

すぐ行動する場面

  • 呼びかけても反応がない
  • 反応があるか判断できない
  • 普段どおりの呼吸がない
  • 呼吸が普通か判断できない

反応がない、または判断に迷う場合は、119番通報とAEDの手配を進めます。普段どおりの呼吸がない、または判断に自信が持てない場合は、心停止とみなして胸骨圧迫を始めます。

「間違っていたらどうしよう」と観察だけを続けず、119番の通信指令員の案内を受けながら動きます。

スマートフォンで119番通報するイメージ

一人ならスマートフォンをスピーカーにする

救助者が一人の場合、スマートフォンのスピーカー機能を使えば、通信指令員の声を聞きながら両手で胸骨圧迫を行えます。住所や場所、倒れた人の反応と呼吸を伝え、質問に答えます。

119番で何を聞かれるかは119番で伝える7つのことにもまとめています。通報を終えることより、指令員が電話を切ってよいと伝えるまで指示を聞くことを優先してください。

胸骨圧迫の位置は胸の真ん中が目安です。成人では胸が約5cm沈むように、1分間に100〜120回のテンポで、できるだけ中断を短くします。交代できる人がいれば、疲れて圧迫が弱くなる前に、1〜2分を目安に交代します。

判断の要点:普段どおりの呼吸か分からないときも、胸骨圧迫を始めます。119番の指令員から反応や呼吸の見方を教えてもらえます。

呼吸の判断と胸骨圧迫の考え方も、家族で一度確認しておくと役立ちます。

AEDは届いたら電源を入れ、音声に従う

AEDが届いたら速やかに電源を入れます。パッドは袋や本体のイラストに従い、素肌へ貼ります。貼る場所が濡れていれば乾いた布で拭き、植え込み型医療機器のふくらみや貼り薬を避けます。

AEDと救命処置を学ぶイメージ 公開用イメージです。AEDの具体的な操作は使用する機種の音声に従ってください。

小学校入学前の子どもには、未就学児用パッドまたは未就学児用モードを使います。用意されていない場合は、小学生〜大人用パッドで代用します。小学生以上には未就学児用パッドを使いません。

解析中や電気ショックのときは、誰も体に触れていないことを確認します。ショックのあと、または「ショックは不要」と案内されたあとも、ただちに胸骨圧迫を再開します。

AEDが「ショック不要」と言っても、救命処置を終える合図ではありません。救急隊へ引き継ぐか、普段どおりの呼吸や目的のある動きが戻るまで、音声に従って続けます。

設置場所と基本操作は街のAEDの探し方・使い方をご覧ください。

窒息は「強い咳ができるか」を見る

食べ物などが詰まったとき、強い咳ができるなら、まず咳を続けてもらい排出を促します。一方、声が出ない、強い咳ができない、息ができない様子なら窒息を疑います。

窒息と判断したら大声で助けを呼び、誰かに119番通報を頼みます。反応がある成人や小児では、まず背部叩打法を5回程度試し、効果がなければ腹部突き上げ法を5回程度試します。異物が取れるか反応がなくなるまで繰り返します。

食卓での異変に備えるイメージ

乳児、明らかに妊娠している人、高度な肥満の人へ、成人と同じ腹部突き上げを行わないでください。乳児には背部叩打と胸部突き上げを行い、妊娠中や高度な肥満の人には背部叩打を行います。

反応がなくなったら心肺蘇生を開始し、まだなら119番通報とAEDを手配します。口の中に異物が見えた場合は取り除きますが、見えない物を指でやみくもに探しません。

食事中の予防と対応は高齢者の食卓で起きる窒息への備えも参考にしてください。

読んだだけで終わらせず、講習で手を動かす

胸骨圧迫の深さやテンポ、乳児の支え方、背中をたたく位置は、文章だけでは身につきにくい内容です。地域の消防機関や赤十字などが行う救命講習で、訓練人形やAEDトレーナーを使って練習してください。

救急用品と講習の準備を表すイメージ

普通救命講習・上級救命講習の選び方では、初めて受講するときの確認事項を整理しています。

家庭では、スマートフォンをスピーカーにする操作、AEDの設置場所、119番へ伝える住所、持病や薬の情報を家族で共有します。練習しておけば、緊急時に最初の一歩を小さくできます。

家族で決めておく「役割」

複数人がいるときは、一人が119番、一人がAED、一人が傷病者のそばで反応と呼吸を確認します。全員が電話へ集まったり、誰かが通報したと思い込んだりすると、最初の処置が遅れます。声に出して「私が通報します」「AEDを持ってきます」と役割を確認してください。

自宅なら、玄関の鍵を開ける人、持病や薬を準備する人も必要です。ただし、傷病者を一人にせず、胸骨圧迫や観察を中断しない範囲で行います。外出先では、施設職員へAEDの場所を尋ね、入口で救急隊を案内する人を決めます。

「誰かお願いします」ではなく、相手を指して具体的に頼むと動きやすくなります。近くに人がいない場合は、自分で119番へつなぎ、スピーカーにして指令員の案内を受けます。

救命処置を始めた時刻、AEDが行った解析やショックの回数、見つけたときの様子は、救急隊へ伝えます。正確な時刻が分からなくても、「数分前」「食事を始めてすぐ」など分かる範囲で構いません。

まとめ

2025指針への対応で家庭が覚えたいのは、細かな用語より行動の順番です。

  1. 反応がない、または判断に迷えば119番とAED
  2. 普段どおりの呼吸がない、または判断に迷えば胸骨圧迫
  3. 一人ならスマートフォンをスピーカーにして指示を受ける
  4. AEDは届いたら電源を入れ、音声に従う
  5. 窒息は強い咳の有無を確認し、反応がなくなれば心肺蘇生へ切り替える

完璧な判断を待つより、119番につなぎ、指令員と一緒に救命処置を始める。それが家族や周囲の人を守る行動になります。

参考にした公的資料

※本記事は一般的な情報提供で、個別の診断や講習の代わりではありません。目の前の人の反応や呼吸がおかしい、または判断に迷う場合は119番へ連絡し、通信指令員の案内に従ってください。

⚠️ 免責事項この記事の情報は一般的な救急知識の情報提供を目的としており、医療行為や医療診断に代わるものではありません。症状がある場合は必ず医療機関を受診してください。生命の危機を感じる症状は、迷わず119番に通報してください。

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