小さな機器の電池ぶたが外れていて、丸い電池が見当たらない。そばにいた子どもは普段どおり。飲み込んだ瞬間を誰も見ていないと、床を探し続けるか、病院に連絡するかで迷うかもしれません。ボタン電池は、誤飲が疑われる時点で、症状を待たずに急いで受診するものの一つです。
この記事は、特定の事案を紹介するものではありません。電池が見つからないときに、どんな情報を集め、どこで探すのを切り上げて受診に動くかを、家庭向けに整理します。

写真はすべてAI生成のイメージです。特定の家庭や実際の事故を再現したものではありません。
なぜ、外から見て元気でも急ぐのか
ボタン形やコイン形の小さな電池を、ここではまとめて「ボタン電池」と呼びます。丸い形が似ていても、コインと電池では飲み込んだときの危険が異なります。電池が食道などにとどまり、周りの組織に触れて電流が流れると、強いアルカリが生じて組織を傷つけることがあります。国民生活センターの注意喚起では、放電によって消化管が損傷する仕組みと、処置が遅れた場合の危険を紹介しています。
このため、見た目に苦しそうかどうかだけで受診の要否を判断できません。飲み込んだ物がどこにあるか、そもそも飲み込んだかを家庭で確定することもできません。こども家庭庁の誤飲対処早見表は、ボタン電池を「症状がなくても急いで受診」に分類しています。「本人が元気だから朝まで待とう」とせず、飲んだ可能性を医療機関に伝えます。

見たことと、まだ分からないことを分けて伝える
確かめたいのは、子どもが手を伸ばせる場所に電池があったか、何個あったはずか、最後に電池が入っていたと分かるのはいつかです。ふたが開いている、交換した電池が消えている、機器を口に持っていくのを見た、といった情報があれば、そのまま伝えます。飲み込んだ瞬間を見ていないなら、「飲んだかどうかは見ていません」と言って構いません。
たとえば、伝え方は「リモコンのふたが開いていて、丸い電池が1個見当たりません。子どもが近くにいました。飲んだところは見ていません。いま呼びかけに反応はあります」のように、分かる範囲で十分です。これは伝え方の例です。時間が分からなければ分からないままで構いません。受診や連絡を先延ばしにしてまで、部屋中を探す必要はありません。
受診を手配しながら、分かる範囲で機器の種類、電池の数、気づいた時間を伝えます。

子どもの顔色や反応、呼吸に異常が出たら、電池を探す手を止めて119番へ。自分で異常の原因を判断するより、見ている状態を伝えることが先です。声が出ない、息ができないなど窒息が疑われるときは、指令員の指示を受けてください。声が出ない窒息の見分け方と119番で最初に伝えることも参考になります。




