目の前の人が突然倒れ、手足を大きく動かし始めたら、家族は慌てます。「体を押さえるべきか」「口に何か入れるべきか」「止まるまで待ってよいか」と迷う場面です。
この記事は特定の患者や搬送事案を再現したものではありません。架空の診断や経過は作らず、総務省消防庁の公開資料をもとにした一般解説です。
写真は説明用のイメージです。実際の患者、住居、救急活動を再現したものではありません。
けいれん中は、まず周囲の危険を減らす
けいれんは、本人の意思で止められる動きではありません。周囲に机の角、暖房器具、刃物、熱い飲み物などがあれば、可能な範囲で遠ざけます。頭の下へ薄いタオルなどを置き、ぶつけないよう見守ります。
体を強く押さえつけず、開始した時刻を確認し、119番へつなぎます。

歯や口を傷つけたり、異物を詰まらせたり、周囲の人がかまれたりする危険があります。
119番へ伝える5つの情報
消防庁の通信指令に関する資料では、けいれんが続いている場合は救急車を出動させ、止まった場合は呼吸の有無を確認する流れが示されています。通報では、診断名を当てようとせず、見た事実を短く伝えます。
- けいれんが今も続いているか
- 何時ごろ始まり、何分続いているか
- 呼びかけに反応するか
- 普段どおりの呼吸があるか
- 転倒、頭を打った、妊娠、持病、服薬など分かる背景

「けいれんです」とだけ伝えるより、「2分前に倒れ、両手足が動いている。呼びかけに返事がない」のように、時間と反応を伝えるほうが状況を共有しやすくなります。スピーカー機能を使える場合は、通信指令員の案内を聞きながら観察します。
けいれんが止まった後に見ること
動きが止まっても、すぐに普段どおりへ戻るとは限りません。呼びかけへの反応と呼吸を確認します。呼吸がある場合は、吐いた物が詰まらないよう横向きにすることを検討し、119番の指示に従います。

119番の通信指令員の指示で胸骨圧迫を始め、近くにAEDがあれば手配してください。
心停止の直後にも、けいれんのような動きが起こることがあります。「動いているから心臓は動いている」とは限りません。動きが止まった後の反応と正常な呼吸を確認することが重要です。
胸骨圧迫とAEDは2025指針で変わる救命処置、救急車を待つ間の準備は家族ができることも確認してください。




